今日は去年と同じミクミ国立公園で東アフリカに生息する動物と人とのかかわり、国立公園と観光資源について学習しました。
と言ってもせっかく国立公園に入園したので動物を見なければいけません。今年もライオンやヒョウといった大型の肉食動物は見ることができませんでした。広大なアフリカの国立公園でライオンやヒョウを見つけるコツは、情報収集です。国立公園内ですれ違う別の観光客を乗せた車に出合うと、必ず運転手さん同士で珍しい動物を見たかどうか情報交換をします。観光客を乗せた運転手さんは、彼らが泊まるホテルでも情報集をしています。一昨日は公園内のどの辺でライオンが寝ていた、昨日はどこを歩いていた・・・・といった情報をもとに、今日いそうな場所を絞り込んで、地平線まで見える草原の中からライオンを探し出します。
ところが今回のサファリでは、「ここ1週間以上ライオンの目撃情報がない・・・」、「隣接する別の保護区の方に草食動物を追っかけて行ってしまった」などの情報ばりで嫌な予感がしていましたが、その予感が的中してやはり見ることができませんでした。まあ、国立公園に入園したのはライオンを見るためではなく、観光資源や自然保護について考えるためですので、研修自体は成功といったところでしょうか。
ミクミ国立公園の野生動物や園内見学の様子
9日:8月10日(水)
今回もモロゴロにある国立ソコイネ農業大学を訪問し、持続的農村開発センターの研修者であるンセンガ博士より農村開発の実情について講義をしていただきました。ソコイネ大学は、JICAなどの国際機関と協力しながら住民参加型の開発プロジェクトを実施しています。ソコイネ大学はこうしたプロジェクトでは地域住民と国際援助機関をつなぐ橋渡し役となっています。今回はどのようにうまく援助機関と住民をつなぐかについて講義していただきました。
講義後はソコイネ大学を後にし、ダルエスサラームへ戻ってきました。
ソコイネ農業大学でのセミナーの様子
10日目:8月11日(木)
ダルエスサラーム市内で買い物をした後、郊外の海沿いの村に行きました。去年と同様、イスラーム世界とインド洋交易について考えてもらうためです。東アフリカの海岸立って海を眺めると、水平線の向こうにアジアがあることを感じるとともに、自分の背後には広大なアフリカ大陸が広がっていることを感じます。アフリカは古くから外の世界とつながりながら産業や文化を醸成してきました。奴隷貿易等の悲しい歴史もありますが、よくも悪くもインド洋は東アフリカとアジアをつないでいたことを考えましあた。ヤシの木陰で真っ青な海と空を眺めながら学生たちはアフリカの歴史を勉強しました。
これでタンザニア研修の報告は終わりです。短期間の研修でしたので、分からない部分もたくさんあったと思います。ただ、これをきっかけにアフリカの実情に興味を持ってもらえればよいと思います。