2016年10月16日日曜日

平成28年度フィリピン研修③

今回はフィリピン研修の最後になります。

5日目
地方からタグビラランに戻ってホッとしました。今日は早朝からタグビララン市のダオにある市場見学です。野菜、穀物、水産物のほか飼料をはじめ、種子や農薬など農業資材もそろうボホールで一番大きいマーケットです。でも、昨日の農業事務所の講義では野菜などは移入している量が大きいという説明がありました。


ボホール州立大学のメインキャンパス内に、FABLABという施設があります。FABLABには3Ⅾプリンター、レーザーカッター、CNCミリングマシン、プリント&カットマシンなどの高性能な器具が揃い、これらの機器を使うことによりありとあらゆるものを一箇所で作ることが設計できるという施設です。ボホール島にあるFABLAB設立の目的は、『地元住民の生活の向上』、『地元中小零細企業の支援』、『国立ボホール島大学の学生、地元住民による利用』であり、それに応じて様々な活動がなされているということをデザインの職種で青年海外協力隊員として派遣されている高木さんから説明を伺った。


今回の海外研修の現地での調整に当たっていただいたのが、ボホール農業振興センターの所長であるAureo Madrioさんです。このセンターではボホール農業総合開発プロジェクトをJICAと一緒に実施しました。当時のカウンターパートであった皆さんの話を伺い、プロジェクトのボホール農業に対する貢献について高い評価がなされている印象を持ちました。


同じくJICAの生活改善プロジェクトの実施機関であったでボホール農業研修センターを訪問して当時の知見が研修教材になっていることを知りました。


ボホール最後の夜は青年海外協力隊の皆さんとの意見交換会です。現地での生活、フィリピンの人たちとの活動について生の声を聴き、将来は自分も海外での活動をしてみたいと思った参加者も多かったことでしょう。


6日目
フィリピンでも有数のダイビングができるパングラオ島では新ボホール空港建設プロジェクトが進行中です。建設途中の2000メートルの滑走路に立ってみるとその広さを改めて知ることができました。観光局の増加に伴う観光開発による経済発展と環境への影響の両面から考察しました。




おまけの一コマです。その美しいボホールのビーチの透明度の高い海にもっと長くいたかった。



2016年10月12日水曜日

平成28年度フィリピン研修②

今回の記事もフィリピン研修の続きです。

3日目
ウバイから内陸に向かいます。ボホールは中央ビサヤ地域にあってその食糧庫とされるほど農業が盛んです。特にコメ生産は非常に重要な位置づけとなっています。最近建設されたというRice Processing Complexは韓国KOICAの支援です。このライスセンターの建設によって農家は品質の高いコメを販売することができるようになってきたとのことです。


農業の州であり、先のカパヤス灌漑プロジェクトと連結されたJICA有償資金協力による支援で建設されたマリナオダムとバヨンガンダムとで構成されるボホール灌漑開発プロジェクトを訪問しました。昨日の説明に加えNIAからはダムの構造概要なども説明を受けました。ダム湖では底が見えるほど水位が下がっていました。受益者である水利組合員との意見交換を行ったときに、組合員からは灌漑開発は非常に役立っているがエルニーニョの影響で渇水が続いており、2年連続の不作となることが懸念されるという事でした。


 次に訪問したのは、ボホールでも有数の観光資源であるチョコレートヒルです。乾季になると草が褐色となりチョコレートでできた丘のような感じになることからその名前がついたということです。ボホールはサンゴ礁であったところが隆起してできたと考えられており、石灰岩で構成されるカルスト地形です。誰が数えたか知りませんが、全部で1268の丘があるそうです。


コメ博物館では伝統的なコメ生産のための農機具を知るとともに、杵と臼によるコメの加工調製を体験することができました。精米機であれば非常に簡単なのですが、杵ではコメが割れたり、飛び出したりして精米は大変です。



4日目
ボホールにある大学の中で一番大きい国立ボホール島大学は複数のキャンパスから構成されていて、ビラールキャンパスでは農学部があります。稲作の試験圃場だけでも60ヘクタールあって、環境にやさしい有機農業を推進する研究者のDr. Tralvoから講義を受けました。


 同大学には水稲種子を保存するセンターもありました。以前は農家に種子保存を頼んでいたのですが、品質を維持することが難しいため大学で種子の採取をして発芽が維持されるように更新しているとのことです。


大学のすぐ隣には生物多様性保全センターがあり、NGOによって運営され、海外からの支援も行われています。ボホールに存在する固有種などを含めて研究活動をするとともに、研修をする施設となっています。参加者全員で植林も行い、苗木が大きくなってから再訪しようと記念撮影をしました。


 次に向かう町はロボックです。その途中に人工林が大きくなった場所があり、観光地となっています。この人工林ではボホールの固有種などは植えられておらず、マホガニーなどの産業木材が植えられたとのことです。森に入ると影ができ、私たちが植えた木もこんなに成長してくれると嬉しいな、と感じたひと時です。


ロボック川はゆったりとした流れで、少し上流の滝までをクルーズすることができます。大きなボートに乗ってライブ音楽を聴きながら進みますが、途中で水上舞台がありアトラクションがあります。乗客が参加してダンス、さらにフィリピンでおなじみのバンブーダンスで大いに盛り上がります。


 ボホール州農業事務所は日本における県の農業部に相当するところですが、ここでは、ボホールの農業に関する講義を受けました。ちょうど赴任したばかりの青年海外協力隊員の多田良さん(写真の右端)も講義に参加していただき、所員として通訳のお手伝いしていただきました。






2016年10月10日月曜日

平成28年度フィリピン研修

国際地域開発学科では、2016年8月27日から9月4日までフィリピン共和国のセブ州並びにボホール州にて海外研修を実施しました。

1日目
今回の研修のメインとなるフィールドであるボホール州には8月28日に高速船に乗って。冷房が効きすぎていて体温調節が追い付かない学生もいました。



2時間をかけてタグビララン港に到着。まずはタグビララン市周辺の観光資源を見ます。ボホールに生息するタルシアと呼ばれる世界でも最小の部類に入るメガネザルは夜行性で主食は昆虫です。地震被害で保護センターの敷地から逃げ出したそうですが数匹を見ることができました。たまたまセンターを訪問していたタルシアの発見者にもお会いすることができました。



 フィリピンはスペインの植民地となっていましたが、スペイン人とボホールにおいて最初の外交約束といわれる「血の盟約」が取り交わされました。お互いの腕に傷をつけ、血をマグカップに採って相手の血を飲むという儀式でした。それを記念し、毎年7月にサンドゴ祭りとしてパレードが開催されています。今回は、その記念像を訪問しました。


スペイン人はキリスト教をフィリピンに布教しました。400年の歴史を誇る石積みのバクライオン教会を見学し、その壁画や天井画に圧倒されました。ボホールは3年前に大きな地震被害が遭いました。地震被害が大きかったこの教会の塔は現在も修復中です。石積みの接着剤と使用されたのが卵だったのです。


2日目
本日からはタグビラランを離れ、地方に向かいます。最初の訪問場所はロアイという小さな町です。この道路沿いには鍛冶屋があります。車の板バネの廃品を使ってナイフなどを作っています。持ち手の部分は水牛の角を使う事もあります。


 ロアイから東に移動するとリラという町に到着。ここではRural Improvement Clubとして農村女性グループ活動をしています。活動内容について講義を受け、グループでは農業技術の改善に取り組んだり、ミシンを使って縫製や刺しゅうをして製品を販売したりする取り組みも行っています。メンバーは70人ほどいるそうですが、年配の人も多く、活動に積極的に参加している人は約半数だそうです。皆さん元気いっぱいの人たちでした。


マゲイというのはリュウゼツランの一種でアフリカではサイザル麻と呼ばれています。Lira Maguey Growers Associationでは農村女性グループのある同じ施設を利用して麻の繊維を抽出し、染色してから接着剤を用いて板状にしてから加工してカバンなどを製造・販売しています。ここでは材料の加工実演をしていただきました。


ハグナではボホールの特産というよりもハグナ特産として知られるカラマイの加工書を訪問しました。甘い餅菓子ですが試食をすることができました。残念ながら包装するのは午後ということでお土産を購入することはできませんでした。


ハグナにある聾啞者の働くレストランで昼食を取った後、島の最も東にあるウバイという町に向かいます。町に入る直前に日本の無償資金協力で建設されたカパヤスダムがあります。ここでは灌漑事業を担当する国家灌漑庁(NIA)の技術者から講義を受け、そのあと水利組合員と意見交換の場を持ちました。


 ウバイの街に到着し、ホテルに入りました。立派な4階建てに見えますが、シャワーの出ない部屋、トイレの便座の無い部屋などがあり、さらには虫が侵入してくるなど学生たちにとっては初めての経験。やはり開発途上国でも地方となるとホテルでさえも生活環境のレベルは落ちてしまいます。





平成30年度国際地域開発学科韓国研修(番外編)

今回のブログは韓国研修の番外編です。研修旅行で食べた韓国料理の写真をアップします。 カルビチム定食 焼きウナギ定食 プルゴギ(牛肉) ヘムルタン(海鮮鍋) ドゥルチギ(コチュジャン漬け豚肉) 冷麺 ソルノンタ...